四国お遍路(その3)

 土佐国のお遍路は修行の道場と呼ばれています。それは、寺と寺の距離が長く、ひたすら無心に歩くことになるからなのです。今回は3日間で、総距離にして約60kmの道のりでした。常に太平洋の雄大な眺めを左手に見ながら、海岸線に沿って室戸岬をぐるりと回る道中です。初めの内は景色を楽しむゆとりもありましたが、後半は疲れ果て、もうそれどころではありませんでした。歩く予定のところを急きょ電車に乗ってしまったほどです。それにしても、どうしてお寺はこうも山の上にあるのでしょう。ひざの痛みをこらえて急な山道を登らねばなりません。ここでも、修行の道場であることを実感させられました。

 途中、弘法大師が修行したとされる見どころがいくつかありましたが、時間的に余裕のないスケジュールを立ててしまったので、立ち寄らずに来てしまいました。せっかく行ったのですから、時には寄り道して郷土料理を食べたり、名所・旧跡を訪ねたりして、もっとゆっくり歩く計画にすべきだったなあ。