四国お遍路(その4)

 お遍路では、泊まる宿を決めるのもなかなか難しいことです。ガイドブックやインターネットでいろいろ調べて予約するのですが、いざ泊まってみると、良し悪しさまざまです。でも、そこがまた面白いところでもあります。

 二日目に泊まった宿は、金剛頂寺というお寺の宿坊です。前々から、一度は宿坊に泊まってみたいと思っていました。宿坊というと質素なイメージがありますが、全く違い、とてもきれいで快適でした。食事は精進料理ではなく、お刺身などもあり、充実したものでしたが、あまりに疲れてしまって食が進みませんでした。宿坊ですから、朝のお勤めがありました。宿泊者は6時からお堂に集まり、ご住職の読経に合わせて我々も一緒に唱えます。その後、ご住職からの法話を聞いて、朝のお勤めは終了です。宿坊らしい貴重な体験ができました。

 三日目は、遍路宿歴50年という古い宿に泊まりました。もう年配のおかみさんとその息子(?)二人で切り盛りしている様子でした。建物(部屋)はあまりきれいとは言いがたいもので、それは特に気にならないのですが、その息子がいけません。とても客商売とは思えない態度と言葉使いにちょっと驚いてしまいました。こんな風にしてでも、やっていけるもんなんだなあと。これも遍路宿だからこそ、今までやってこられたのだと思います。そんな宿でした。