四国お遍路(その5)

 旅の良さは、なんといっても人との出会いです。

 二日目の金剛頂寺宿坊では、母と息子、車で巡っているという親子づれに会いました。もう70回もまわっているお遍路の大ベテランでした。次の朝、私はひざの痛みがとれず、登って来た山道を再び下るのはとてもきついと思ったので、その親子づれにお願いして、ふもとまで車に乗せてもらいました。快く乗せていただきました。

 また、70代と60代の男性2人組にも会いました。60代の方は今年仕事を定年退職され、その記念としてお遍路に来たというのです。もう10日間も歩き続けているとは思えない元気さで、私よりかなり年配であるにもかかわらず、私には遠く及ばない体力と強靭な足腰に感服した次第です。

 一日目と二日目、ともに同じ宿でお会いしたある女性は、一人で歩いていました。2回目のお遍路で、今回も最後88番札所まで通しで歩くということです。「前回は1ヶ月半しか歩いていないのに、その後半年間、足のしびれがとれなかった。だから今回は、無理せずゆっくり歩くつもり。苦しいだけではつまらないので。」とおっしゃっていました。すごいバイタリティーだなあと感心させられました。

 この度のお遍路は苦しい旅でもありましたが、予定どおり、なんとか4つのお寺を参拝することができました。最御崎寺では3名の中3生教え子のために、合格祈願のお守りを購入するというもう一つの目的も果たすことができ、それなりに充実感を味わっております。